札幌で感じた地域のコワーキングの衰退

 コワーキングアドベントカレンダー2016で書いています。というか、今年は参加者が少ない。今日一日で書き足らないのもあるので、23・24日も追加で書きます。

 

 かなり前の話になりますが、6月に札幌に行きました。知り合いがはじめたYOSAKOIソーラン祭りを見るためと、札幌のコワーキング事情を調べるためです。

 期待して行ったはいいものの、、、結果は散々なものでした。救いだったのが、ラーメン屋で見た猪木アリ戦の再放送だったくらいです。

 

 4年前の秋に札幌で北海道コワーキングパーティーが開かれて、年に一度はやっていたのもあるので、札幌でもかなり盛り上がっている様子は伺っていました。行きたかったくらいなので。

しかし今年の6月に行ったときにどういう様子だったかというと、

   ・完全会員制のドリノキ

   ・女性のためのコワーキングスペース リラコワ

     ・ものづくりオフィス SHARE

     ・曜日限定のコワーキングスペース 育てるコワーキング札幌

の4ヶ所。私のように、男性で一時的にドロップインで利用していく場合に使えるコワーキングスペースはSHAREと育てるコワーキング札幌の2ヵ所だけ、という状況でした。

 

 これは自分にとってかなりの衝撃でした。コワーキングスペースの役割のひとつとして、利用者相互が持つコミュニティとの混ぜ込み他地域からの事業・サービスなどの輸入・輸出というものがあると考えているのですが、札幌においては十分に機能した環境になっていないように感じました。単純にコワーキングスペースがあれば機能するって言うものではありません(それぞれのコワーキングスペースの目指す方向性というのもありますので)が、これではコワーキングの一番楽しい時間をすごしながらよい成果を残すことができないし、それができなければ地域におけるコワーキングに対する評価が下がるという危惧も感じていたので、それが札幌で現実になっているように感じました。

 そんな札幌の事情についてSHAREの斎藤さん、育てるコワーキングの能正さん、北海道大学で研究をしている北海道大学コワーキング研究コミュニティの皆様にいろいろとお話を聞いてみました。確かに札幌は最盛期と比較して2店営業を終えているのですが、その理由としてそれぞれコワーキングスペースを事業の一つとしか考えていなかったり、事業者やそこに入居していた団体が事業などコミュニティを成長させていくにしたがって、スペースをやっていく必要なくなっていったということを聞きました。もちろん経営者の部分も持ち合わせると収益に合わないと感じれば閉めるという発想は当然なのですが、コワーキングに関して見聞して感じてたもの以上に得られるものがなかったという心理が働いたのではないか、または単にコワーキングスペースの入居する人や数字的需要の特性を見抜いた上での経営がイメージできていなかったのではとも考えることがあります。

 また、コワーキングスペース同士の交流や利用者による複数のコワーキングスペースでの利用がほとんどないことにも気になるところでした。さらに閉店したコワーキングスペースのコミュニティが、SHAREに移っているという話も聞きました。効果的なコワーキングスペースの使い方として複数のコワーキングスペースを利用していくことを推奨しているのですが、考え方として徹底できていなかったのかなという気がします。これは前年からの流れでコワーキングツアーという形でも動いているので、これがどう普及するのか期待するところもありますし、独自にも動いていかないといけないと感じています。

 

 とはいえ、そもそもコミュニティとは何だろう?コワーキングスペースは、コワーキングスペースのためにコミュニティを作れば安定する(実はシリコンバレーのコワーキングが成功している理由として、起業家のコミュニティがあったことを北大の平本先生が言っていました)といいながら、会社や事業の成長やミーティングの回数が増えるに従ってかかわる必要性がなくなるとやめてしまうものになる。人とつながって楽しいし大きくもできるはずなのに、短期間でも成果が出ないとあっさり終わる。そんなにドライなものだとしたら、人はコワーキングスペースはコミュニティとどうつきあえばいいのだろう?と思うし、スペース自体のコミュニティはどうあるべきなのだろう?それについての考察を後日述べたいと思います。

 

 いまだ持ってコワーキングスペースで黒字を出すのは難しいと思います。これは料金体系としてシェアオフィスに近いところでもカフェに近いところでも一緒です。私も今週からコワーキングスペースもりおかを再開しますが、コワーキングスペースで10年は黒字は出ないという覚悟で再開することにしました。その代わりに地域におけるコワーキングスペースが本来持つ機能や効果を高めるための努力を維持していくつもりで続けます。

 そして運営について、斎藤さんや能正さんからもいいアドバイスを受けました。オーナーとしてコワーキングスペースの多様な使い方は理解しても使い方のコンセプトについて絞ること、また曜日ごとにコンセプトを変えたスペースを運営してみること。これは大いに参考になりますし、いずれ小さくやってみようと思います。

 

 総じて札幌で見てきて感じたことは、自分にもフィードバックできるものもあるのですが、宮城や山形、長野のようにコワーキングスペースが新しくできている地方の県は、遠からず札幌のような大都市のようなコワーキングスペースの衰退が起きる危険性ははらんでいる感触があります。私はコワーキングスペースをインフラと考えることがあるので、それが儲からないという理由で閉めるとすれば地方の衰退につながるとも感じているので、コワーキングスペースの意味づけを改めて考えていくことも述べていかなければならないとも思うのですが、前提にコワーキングをどう伝えどう体験させられるようにしていくかをもっと考えて動いていかなければならないと実感しました。

 長くなりましたが、上に挙げたSHAREの斎藤さん、育てるコワーキングの能正さん、北大の平本さんに阿部さんをはじめ、ご一読いただいた皆様・意見を述べた皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

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コメント: 3
  • #1

    うぇびん (火曜日, 18 4月 2017 16:10)

    こんにちは。札幌でコワーキングスペースを利用している者です。他県の方から見たご指摘、拝読しました。
    2017年4月時点で、記事中の札幌の事情がかなり変わったので、コメントで補足します。

    ・スペースカンテが新しくオープンしました
    ・ドリノキもドロップインが可能となりました(平日のみ)
    ・札幌カフェ(&育てる…)は昨年末でコワーキングを終了、イベントスペースとなりました
    ・リラコワは休止状態になりました

    実質、札幌中心部でドロップインが可能なのは三軒で、ミライストカフェも常連が多く、コワーキングに近い状況となっています。

    札幌の利用者がコワーキングを単一の施設でなく、全体の文化として考えていないというのはあるかもしれません。これは私個人の体感ですが、以下のような事情もあります。

    ・札幌の個人事業主の所得が物価に対してまだまだ少ない
      複数契約ができない
    ・冬の気候が厳しい
      利用者が出かけにくい=ぶっちゃけ家での仕事が快適
      冬季は都心でなければ客が来ない
    ・オープンな交流が苦手な気質
      東京都民に近い意識
    ・リモート勤務者が多い
      札幌にいながら札幌の仕事をしていない

    そのような背景から、多方面事業を行なっているドリノキと、特定分野のコミュニティを確立したSHAREが長年続いているのだろうと思います。

    確かに社会的に影響し、貢献するのがコワーキングの理想の姿ではあるのですが、札幌ではそれで採算を確保するのはまだまだ難しく、利用する側で何ができるかと考えているところです。

  • #2

    口田 聖子 (火曜日, 18 4月 2017 16:15)

    すみません補足です。リラコワが営業を再開しました(単純に春季休業だったようです…)。

  • #3

    コワーキングスペースもりおか (火曜日, 18 4月 2017 20:19)

    うぇびん様、口田様、最新情報ありがとうございます。
    ドリノキもドロップインが可能になったんですね。オーナーさんの話を聞く限り、やるつもりがなかった印象があったので、びっくりしました。
    そして冬の気候やオープンな交流が苦手な気質については岩手も同様なので、とても参考になります。

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