コワーキングスペースは個人からコミュニティ相手の商売に変わるのか?

 コワーキングスペース運営者限定アドベントカレンダー2017で書いております。コワーキングスペースもりおかの川村です。よろしくお願いいたします。

 

 先年のアドベントカレンダーで、私は「コワーキングスペースはコミュニティ相手のビジネスではないだろうか?」という内容で仮説を立てて、それを1年かけて検証し答えをここに書くことを予告していました。

 

 その答えは、自分の中ではの話になるのですが、Weworkの日本参入、それに類似するサービスであるNewwork・日経オフィスパスの誕生、コワーキングスペースもりおかでの利用のされ方によって、あっさり証明されました。

 

コワーキングスペースはやっぱりコミュニティ相手の商売です

 

 上記の記事にある「目的を達成するための集団」「人数は1人からでもOK」「学校も会社も団体も家族もクラブもサークルも、実はコミュニティ」というコミュニティの定義に沿うと、結局はこの結論になってしまいます。特に「人数は1人からでもOK」という定義づけの時点で詰んだ面もあるのですが、これは定義づけの失敗もあるかもしれません。
 ちょっと反れましたが、このように結論付けた理由は、コワーキングスペースもりおかを1年通じてやってみて、会社や団体の利用や問い合わせが個人の利用や問い合わせよりも比較的多かったというのが一番にあります。また、WeWorkJapanのパーティーでのスピーチも、会社というコミュニティ寄りにターゲットを向けたい印象を強く受けました。

その原因を考えたときに、コワーキングスペースというビジネスがCtoC(個人同士のつながり)から始まり、シェアオフィスの要素を取り入れる形でBtoC(事業者と個人顧客の関係での取引)レベルに成長し、それが市民権を得てBtoB(事業者間同士の取引)レベルの段階に成長したと考えたためです。定義から「人数は1人からでもOK」というものを外したとしても、同じく考えています。いや、3,4年前にはとっくになっていて、それが日本でも理解できる段階になったというなったという方がいいのかもしれません。僕はこの方向になってはいけないと思っているわけではなく、コワーキングスペースを利用したり運営してきたり広めてきたりした皆様の実績や評価なので、むしろ尊敬の念を持って、この成果にまでつながったと考えています。

 

 また「コワーキングスペースはコミュニティ相手のビジネス」ということを結論付けていく過程で、ひとつ懸念点が見えてきました。
 それはスペースごとのターゲティングによって、法人・団体相手かフリーランサーやサークル、個人事業主相手かで2極化・階層化が加速するように思えます。決して悪いことだと思っているわけではないのですが、私はこの階層化によって、コワーキングスペースの中でコワーキングという手段で働くことによって得られると言われている「想像を超えた成果」「新しいイノベーション」というものが、これから先に期待ができないものになる懸念をしています(いやいや、そこまで求めてないよというオーナーの皆様、すみません)。「想像を超えた成果」「新しいイノベーション」を生み出すためには、できる限り様々な境遇を持つ人や団体に対して、自由度の高い利用用途や出入りのしやすさ、使いやすさを確保して、自由な空気感の保障していくことが必要だと考えています。それを起業支援とか法人だけとかにターゲット化すると、専門的な意見を聞くことはできても、却って多様で市民感覚のある意見は聞きづらくなるし、ビジネスに落とし込んだ時に失敗するケースが多くなった場合に、コワーキングスペースは利用しづらいし考えていたような成果が出ない場所だと評価されるのではないかと思います。どうでもいいと思う人もいますが、私はそれは避けたいなと思っています。

 

 そういう評価を受けないようにするために、自分のところのコワーキングスペース以外のスペースを使い合うことが一つの対策だと思います。しかしながら、それがわかってても資金面や日程面でかなり難しいというのを1年通して痛感しました。

 そこを解決できる方法がないだろうかと考えたときに「コワーキングスペースはコミュニティ相手のビジネスではないだろうか?」でも「ワーキングは例えば公民館の一室でも借りて、他の人と一緒の空間で働いたり寝たり自由に過ごしたりするだけで簡単に成立でき」ると述べているので、これと掛け合わせて、ノマドのコワーキングスペースのオーナーというようなイメージ(モデルになっている人もいますが)で、コミュニティミキサーという制度を考えてみました。コミュニティミキサーが様々なコワーキングスペースを行き来しながら、普通にコワーキングをしたり、ライトニングトークや交流会などを開いてビジネスやコミュニティで取り組みたいことの情報を仕入れながら、ほかのスペースでやっていることを情報交換しあったり、より適したスペースを紹介したり、コラボビジネスをオーガナイズしていく、そういうイメージのビジネスです。

 

 地方の片田舎で考えたことなので、実現的にきついものもあると思います。これをベースにいい方法とかあれば、どんどん改良を重ねていただけると助かります。いずれにしても、コワーキングスペースを通じて利用する人に、短時間でもじっくり時間をとって使いたい場合でも、想像以上の成果を出していけるようにするための、一つの考えとして頭の片隅にとどめていただければと思います。

 ようやっとコワーキングスペースがBtoBクラスのビジネスとして日本でも成立してくる時代になったことで、もしかしたら使うかもしれないのでという理由をくすぶりだして、地域の会社や企業体のリフレッシュスペースやテレワーク用オフィス、ワークショップスペースとして2~5の会社や団体と契約が取れるようになれば、比較的運営が安定し、その上での仕事での良質な成果が取れてくるのではないかと考えています。実際運営してみてこのような声や要望も多かったので、料金に反映したところ、利用も売上も少しずつ上向いてきました。来年はこのあたりを掘り下げて、応用の先に地方や弱者に利用しやすく安定したコワーキングスペースの運営の仕方とか考え方とかこれからも模索してきたことが書ければいいなと思いながら、今年はこれで終わりにします。ちょっとした説ですが、ここまで読んでいただきましてありがとうございました。

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